
暗号資産(仮想通貨)の損益計算方法
暗号資産(仮想通貨)の税務
目次
この記事では、暗号資産(仮想通貨)の損益計算方法について詳しく紹介します。
※配偶者控除など一定的な条件を満たすと確定申告が不要な場合もありますが、ご不明な点がありましたら、暗号資産(仮想通貨)に詳しい最寄りの税務署または税理士等にご相談ください。
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暗号資産(仮想通貨)の損益計算 移動平均法と総平均法
暗号資産(仮想通貨)の損益計算には移動平均法、総平均法という2種類の計算方法があり、どちらかを選択して確定申告をします。それぞれの計算方法の違いをBTC(ビットコイン)の取引を例に解説していきます。
移動平均法
移動平均法では暗号資産(仮想通貨)を購入するたびに通貨の単価を計算します。
下の画像のBTC(ビットコイン)の売買を例に解説します。
1.1BTCを100円で購入します。この時の単価(1BTCあたりの取得金額)は当然ですが100円となります。
2.1BTCを150円で購入します。これでこの時点で2BTC保有している状態になります。
2BTCを取得するのに合計で250円かかっているので単価は
250円(金額合計)÷ 2(BTCの保有量)= 125円(1BTCあたりの取得金額)となります。
3.1BTCを200円で売却します。
この時、所得金額は200円(売却単価)ー [125円(1単位当たりの取得価額 × 1BTC(売却数量)] = 75円となります。
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POINT
この売却のタイミングで損益が発生します。そして売却した際に発生する損益の計算をするために、暗号資産(仮想通貨)購入の都度、単価を計算しているのです。
1BTCを売却したことでBTCの保有量は1になりました。単価は変わらず125円です。
4.1BTCを275円で購入します。BTCの保有量は2に、2BTCを取得するのにかかった金額の合計は400円(125円+275円)となりました。この時の1BTCあたりの単価は400円(金額合計)÷ 2(BTCの保有量)= 200円(単価)となります。
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このように移動平均法では暗号資産(仮想通貨)を購入するたびに1BTCあたりの単価を計算します。
総平均法
総平均法では期間内全体(1月1日~12月31日)の購入金額を購入した暗号資産(仮想通貨)の数量で割った平均額を単価とし、すべての取引の購入単価として損益を計算します。
※毎年1月から12月までにおこなった取引が対象になりますが、当社での2019年度の取引については、サービス開始日の2019年5月30日から2019年12月31日 までの取引で生じた損益が対象となります。
上の画像の場合、年間を通して3BTCを合計525円で購入しています。
1BTCあたりの単価は525円(購入金額合計)÷ 3(BTCの購入数量)=175円(単価)となります。
3.で1BTCを売却したときの所得金額は
200円(売却金額)ー [175円(1単位当たりの取得価額) × 1BTC(売却数量)] = 25円(所得金額)となります。
このようにまったく同じ取引をしている場合でも計算方法によって所得金額に差が出ることがあります。
移動平均法は計算が複雑になりますが、体感に即した計算結果になるのに対して、総平均法は計算が比較的容易ですが体感と乖離した計算結果になることがあるといった特徴があります。
なお、移動平均法、総平均法の計算結果は単年度では異なりますが、将来にわたって生じる所得金額は一致します。
どちらの計算方法を採用するかを、確定申告期日までに税務署に届け出をする必要があります。
(計算方法の届け出を行わない場合、総平均法として扱われます。)
計算方法は一度定めると原則として3年間変更することができないため、年度によって所得額が少ない計算方法に選択して確定申告をするといったことはできません。最初の選択時の判断が重要になります。
確定申告の流れはこちらの記事にまとめてありますのでご覧ください。
出展:
Aerial Partners「【基本の「き」】仮想通貨・暗号資産の税金 ~損益計算のやり方~」より